男子プロゴルフツアーで半ズボンが解禁になりました。今のところ横浜ミナトチャンピオンシップ限定の解禁のようですが、これから暑さ対策のためには必要な対策ではないかと思います。プレイヤー目線では危険防止という意味で、良い方向だと思います。しかし、プロとしては見られている意識が不可欠です。女子に比べて明らかに見られている意識が低い日本の男子プロに、単に楽になったと言う意識でいるようでは、ますます男子ツアーの人気が下がるのではないかと心配になります。
ファッションが見られているゴルフ
チームスポーツにはユニフォームがあり、個人のファッションセンスが問われることはあまりありません。他の個人競技でも競技のための服装という側面が強く、機能重視で個人個人の見栄えが大きく変わることはないでしょう。しかし男子ゴルフの場合は普段着るような服装と大きな差がなく、個人のファッションセンスや清潔感などに大きな差が出てしまいがちです。
制服というのは非常に便利なもので、中学生が学ランを着る場合、貧富の差や、育ちの違いが大きく出ることはなく、一部のお金持ちの御子息を除けば、子供にとって大変ありがたいものでした。
しかし、制服で守られていた子どもたちは、やがて高校や大学になって、服装が自由になると、彼我の差に愕然とすることとなります。特に大学生になると、子供の頃から培われたファッションセンスの差は如何ともしがたく、チョットしたカルチャーショックを受けることになります。
ゴルフ選手の場合は公共の電波に乗るプロアスリートであるので、ファッションにも十分に気をつけなければなりません。JLPGAを見ると、そのあたりは十分に教育されており、Beauty of the yearという賞まで用意されています。男子は其のあたりの意識が薄く残念でなりません。
ベストゴルフドレッサー賞2024という賞が、ベストゴルフドレッサー賞実行委員会の主催によって制定されたようですが、プロゴルファー部門で菅沼菜々プロが女子で選ばれたのに対し、アスリート部門では北島康介さんが選ばれるという事態になってしまいました。このあたり男子プロは期待もされていないという状況なのか、プロアスリートとしては寂しいものがあります。
今回の短パン解禁の影響
ビジュアル的に見たくないものというのは、人それぞれあります。女子プロにしても誰もが極端に短いスカートを履いて良いというものではないことは、誰でもわきまえる事だと思います。しかし男子ゴルファーにそのあたりの常識や、教育はなされているのでしょうか?ジェンダーフリーのこの時代に、男子は服装や体に気を使わなくていいという常識は通用しないと思います。
お腹がでっぷりと太った男子プロが短パンで腹を突き出して歩いていれば、それをやはり見たくない人もいるでしょう。気にしない人も一定数いることは当然ですが、人気が下降中の男子ゴルフツアーがそのあたりの感覚にズレが無いことを祈るばかりです。
若い人たちを取り込みたいので短パンを解禁してカジュアルにするという方向は間違っていないと思いますが、一方で最近の若者は男子でも無駄毛の処理をする人が増えています。
そのあたりの教育もなく、間違った方向でルールを変えて、ファッショナブルでは無い面がますます強調されてしまえば、人気凋落に拍車がかかることは間違いないと思います。プレイヤー目線での改革はもちろん必要ですが、ファンに見られているというプロとしての基本を理解できていないのであれば、ますます女子ツアーとの差は広がるばかりでしょう。
スポーツをお洒落にできない日本人
スポーツでおしゃれを楽しめないのは、非常にもったいない話です。
例えば競馬について、イギリスでは英国ジョッキークラブが15競馬場でフォーマルなドレスコードを直ちに廃止することとなりました。競馬をより身近なものにしたいという考えがあるようです。しかし、日本の競馬場はどうでしょうか?フォーマルなドレスコードとは程遠い雰囲気でお洒落のかけらもないことは、日本国民なら誰でも知っていることでしょう。
ゴルフも同じで、オシャレなものを身近にするためにコードを緩めるというのは理解できます。しかしオシャレさが定着していない日本のゴルフ場で単に緩めるだけでは、積み上げてきたものを台無しにするだけです。
オシャレなスポーツという側面を無視するのであれば、新しい層を開拓するのは難しいでしょう。
かつてゴルフウェアといえば、おじさんのファッションでどちらかというと、ガラが悪いイメージが定着していました。さすがに最近のプロは良くなってきたとは思いますが、それでもまだ気を使えていないプロゴルファーが多いと思います。
服装や体型、無駄毛の処理などについて、日本の男子プロたちにどういった意識があるのか、注目に値すると思います。
ファンがかっこいいプロに憧れ、見たいと思う、思わせるのが本当のプロだと思います。