弱いのに横綱相撲のジャイアンツ 原野球では正々堂々と負けてしまう

弱体化が進む巨人ですが、その負け方が淡白で、ファンにとっては面白くない試合が続いてしまっています。原監督は強いチームを率いて実績を残してきたので、弱者の戦法が取れないようです。”巨人軍は強くあれ”と言われてきましたが、今の巨人はなにか勘違いしているようです。

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正々堂々という言葉が好きな原監督

原監督は今まで強いチームを率いてきました。チーム力で圧倒しているので正々堂々と勝ち上がってきたのが原野球です。

常に相手の正面に立ち、正攻法で打ち勝つ野球が基本です。

日本シリーズでソフトバンクに8連敗したときも、戦力では劣っているにも関わらず、正々堂々と戦ったために、策無く力負けしてしまったのではと推測できます。

つまり弱者の戦いができないのです。できないというよりも、やったことがない。もっと言えばやりたくないのかもしれません。

それは長嶋終身名誉監督や藤田元司さんがやった、正々堂々と打ち勝つ野球を手本としているのかもしれません。もっと遡れば、お父上である故・原貢さんの影響が大きいのかもしれません。

しかし、今戦力的に劣っていると思われるジャイアンツは、正々堂々と力負けしてしまっています。

打つだけの淡白な巨人の野球

今のジャイアンツは打つだけのチームです。開幕から16試合で盗塁は、たった1個です。

対照的にヤクルトは15個、阪神は11個決めています。

昨日の試合では脚の遅い中田翔選手を3番に入れて、初回に余裕の併殺を食らってしまいました。

いくら出塁率がよくても、中田翔選手、岡本和真選手と続く打線は、各駅停車の打線となってしまいます。相手投手からすれば、打者にこれ以上ないほど集中できる打線でしょう。

1番2番で出塁してかき回す野球が、全くできていないので、クリーンナップを迎えた時に、プレッシャーが少なく、与し易い打線と言わざるをえないでしょう。

強かった時代のジャイアンツ

本当に強くて人気のあった頃のジャイアンツは、常に正々堂々と戦って来たわけではありません。V9時代は盗塁やエンドランを絡めて揺さぶるのは当たり前で、相手投手はONの前からプレッシャーに晒されていました。

そしてON以外は脇役としてのミッションを明確に与えられて、相手投手を攻略していました。柴田勲さんのコメントによれば、全盛期の阪神・江夏投手を攻略する時は、ON以外は、前半2打席はできるだけ球数を投げさせること。脚の早い小技の上手い選手は、江夏投手を疲れさせるためにセイフティーバントをファースト側にする指示が出ていたのです。(江夏投手はサード側のバントはマウンドから降りてこないため。)あの強い時代に、それだけの指示を出していた首脳陣もさすがですが、難攻不落の江夏投手を打ち崩すためには、前半を捨てて戦う戦略を遂行できるメンバーも教育が行き届いていたと言えるでしょう。

現状のジャイアンツ打線

今の打線は誰でも初球から、打ちに行きます。長打のない2割そこそこの打者が、初球から打ちに行っても期待値は高くありません。

長打のある3割打者が初球を狙い撃ちするのは理解できますが、打っても単打の打者は、フォアボールと価値は変わりません。寧ろ球数を投げさせて、相手の守備時間を増やすだけ、チームにとってはフォアボールのほうが効果が高いのではないでしょうか。

プロ野球なんだから待球戦法なんてとつまらない思う向きもあるかもしれませんが、力のないものが簡単にやられる場面を繰り返し見ている方が、何倍もつまらないと思います。

数字を残した打撃コーチが、初球から打つことの重要さを教えることが多いようですが、3割30本をすべての打者に期待できるわけではありません。守備を期待されている選手に、狙い球を絞って初球から打っても確率は低く、粘った後のフォアボールよりも相手に与えるダメージは少ないと思います。

打率.250本塁打5本しか期待できない二遊間の選手に、初球から大振りさせたら、相手投手を楽にさせるだけだと素人は思うのですけど・・・

正面に立って打ち勝つだけが正々堂々ではない

原監督は打つだけの人でした。それが許される中心バッターだったからです。

デーブ大久保コーチも打つだけの人でした。脚が遅くて長打を期待されていたからです。

その二人が待球戦法を、教えられるとは思えません。今のジャイアンツの首脳陣で現役時代にそれを実行した人材はいないのではないでしょうか。

井端弘和さんや石井琢朗さんは、それができた人たちだったと思います。

川相昌弘コーチは教えられるはずですが、チーム方針でしょうか・・・・

もうジャイアンツの戦力はただ打ち合うだけでは勝てないということを、フロントと編成が考えなければなりません。今のドラフト制度と日本のFAでは、長嶋監督時代の打ち勝つ野球はできないと結論をつけないと、ジャイアンツも原監督も、もしかしたら次の監督も、苦しむことが続くのではないでしょうか。

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