ジャイアンツの大勢投手がまた離脱 相次ぐ故障で守護神はもう無理?

ジャイアンツの大勢投手が右肩のコンディション不良でファームに降格しました。ここまでチームが約30試合を消化する中で、11試合に登板して7セーブと結果をある程度は残していましたが、酷使されている状況では有りませんでした。故障箇所が右肩となると、深刻な故障になる可能性もある箇所です。新人の年に37セーブを上げて大活躍をしましたが、2年目は故障によって14セーブに終わり、大きく期待を裏切っています。これだけ故障が続くのでは、起用法などを再考するべき時が来ているのかもしれません。

守護神はもう無理なのでは

大勢投手はもともと故障がちな投手です。変速モーションからの出力の大きさが原因かどうかはわかりませんが、入団後に桑田コーチ等からの”先発向きではない”との判断があり、新人でクローザーに抜擢されました。逆に言えば、先発では長いイニングを投げることができないと判断されたようです。しかしプロ入りして2年と少しで、離脱は4回目と言って良いのではないかと思います。これではチームの難しい場所を託せるとは言えないと思います。また、折角160Kmを超える出力をもちながら、体がその出力に耐えきれないとなると、ピッチング自体を根本的に考え直す必要があるかもしれません。

先発をやる可能性

これをもう一度考える必要があると思います。今の大勢投手は緩急が使えません。長いイニングを投げるには、打たせて取る球種も必要になるでしょう。ゆるい球はカーブ、打たせる球はシンカーになると思いますが、なかなか取得が難しい球であることも事実です。逆に言えばこの2球種がある程度使えるようになれば、全力のストレートを投げる必要のある場面が、かなり少なくなるのではないでしょうか。

サイドハンドへの転向

今の変則フォームを変えてしまえば、シンカーとカーブは案外早く習得できるかもしれません。純粋なサイドハンドに変えれば、カーブも大きくなり緩急が使えるようになるはずです。

ジャイアンツで言えば平成の大エースと言われる斎藤雅樹投手が、腰の回転と腕の振りが合っていないということでオーバーハンドからサイドハンドに変えて大成功しています。大勢投手はオーバーハンドとは言えませんが、腰の回転と腕の振りが合っていないのは、斎藤投手と重なる部分が多いのではないでしょうか。腰の回転と腕の振りが合っていないのにもかかわらず、あの出力を絞り出すため体に負担がかかっているのかもしれません。

サイドハンドになると、鹿取義隆投手のように故障に強い寿命の長い投手になる可能性もあると思います。

ここまで実績を残してきた投手が簡単にフォームを変えるのは難しい判断だとは思いますが、大学時代からの短期間で故障を頻発してきているのも事実です。

取り返しがつかなくなる前に、故障が長引く前に適切な判断が必要だと思います。

”努力は過大評価され、判断は過小評価される。”

いままでも細心の注意を払って起用されてきた大勢投手ですが、守護神での離脱を重ねているようでは、壁をぶち破ることはできないでしょう。変則フォームからあれだけの出力が出せるならば、サイドハンドなど体に負担のかからないフォームでも大きく球威が落ちることは無いかもしれません。そろそろ新しい大勢投手の姿を模索する時が来たと考えてもいいと思います。

井上温大投手の課題

もう一人、気になる投手が井上投手です。その素晴らしいストレートから二軍では無双状態ですが、1軍では打ち込まれることが続いています。その原因はどのように分析されているのでしょうか。ただただ経験不足という事で片付けるには、失敗が続きすぎていると思います。自分でピッチングが組み立てられないというのが、考えられる一つの原因かもしれません。一つ一つの球は水準以上なのに、駆け引きができずに打たれてしまうのは、1軍と2軍の打者の大きな差をつかめていないのかもしれません。

もう一つ考えられるのは、ストレートを投げる時に回転のきれいなストレートを投げようとしすぎて、球が見やすくなっている。あるいはストレートを投げるときと変化球を投げるときに一流の打者に感じ取られてしまっているという可能性があるかもしれません。このあたりのセンサーは同じ一軍の打者でも、打者によって違うそうで、篠塚和典さんに見える投手の投げ方のクセが、中畑清さんにはわからなかったというエピソードが公開されています。

出玉ですぐ見破られてしまう場合は、一流の1軍の打者には通用せず、手元に来るまで球種の判断がつかない投球ができていない可能性もあるかもしれません。

メジャーにいった松井裕樹投手のスライダーが空振りを取れるのは、途中までストレートと同じ軌道だからと言われています。

井上投手もストライクゾーンにいれることを優先する変化球と、空振りを取るためにストレートと軌道を同じにする変化球を使い分けて投球できるようになれば、1軍でも無双できるかもしれません。

球のスピードや回転数だけではなく、打者からどのように見えているかという視点が、最近は重要視されなくなっているのかもしれません。

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